御本尊地蔵菩薩

様々な仏さま

  京都や奈良に行くと様々な仏さま(仏像)にお出会いすることができます。優美な姿をしたとっても大きな奈良の大仏さま・・・・。お寺によってまつられている仏さまはお寺により異なり、お姿も大きさも多種多様です。仏像は大きく分けて如来、菩薩、明王、天部の四種類に分類されます。如来とは悟り、真理を得た者の意味です。大日如来、阿弥陀如来、薬師如来、釈迦如来などが有名です。現世を離れ、悟りの世界に身を置いておられるので装飾品をつけず薄い衣をまとい質素なお姿をしておられます。菩薩は、悟り、真理を求めておられる方です。如来が悟りの世界に身を置かれるのに対して、菩薩は現世に身を置き修行をされておられます。また、地蔵菩薩のようにすでに悟りをお開きになられ、如来になられる資格がありながらも、あえてこの世に留まり衆生救済にあたっておられる方もおられます。明王はとても怖いお姿をしています。皆さまもよくご存じの不動明王は鬼のようなお姿をしておられますが、仏教を守護し、人々を護る方でもあります。怒りをもって人々を正しい方向に導くお役目をお持ちになっています。古代インドの神々が仏教に取り入れられ、仏教を守護する守護神となったのが天部の神々です。梵天、帝釈天などが有名です。

地蔵菩薩の御誓願

  今からおよそ2500年前お釈迦さまが入滅されました。次にまた仏さまが私たちの世界にお現れになるのは遠い未来、今から役56億年後といわれています。その間、私たちの世界は無明の世界(仏の教えがすたれてしまう世界)となり人々は混乱の世界を生きていかねばなりません。56億年後にお姿を現される仏、弥勒菩薩はそのような私たちをお救いになるといわれていますが、それまでの長い間私たちはどうすればよいのでしょう。お釈迦さまが入滅される時、これから末法無仏の世界を生きていかねばならない衆生を私に代わり導くようにと釈尊がお頼みになさったのがお地蔵さまであるといわれています。地蔵菩薩はすでに悟りを開かれ如来の世界にお入りになる資格がある方だといわれています。しかし、お釈迦さまの願いを聞き入れられあえて現世に留まり行を続けられています。現世において一切衆生をお救いする、これが地蔵菩薩の御誓願なのです。

地蔵菩薩のお力 ~喜びを生み出す力~

  金銀宝石など私たちにとって貴重なものは地面の下にあることが多いものです。宝石だけでなく近代社会になくてはならない石油類も地下に埋もれています。また、生きていく上に欠かすことのできない食べもの。これらも地が育み育て実りを生み出します。このように地は宝の宝庫であり命の源とも言えるでしょう。地の蔵という名の通り、「地」を納めておられるのが地蔵菩薩であるといわれています。地蔵菩薩を信仰すると財に恵まれ、心身健康に過ごせるといわれています。地蔵菩薩の御真言は「オンカカカビサンマエイソワカ」です。カの字が出てきますが、これは喜びを表す言葉です。私たちはうれしいと自然と笑みが顔に表れます。うれしさが大きくなると笑いそしてそのうれしさが最高潮に高まると「カ」という声になります。その喜びの頂点「カ」が三度も続くのが地蔵菩薩の御真言なのです。つまり地蔵菩薩を信仰すればカ・カ・カと高笑いができるように幸せになるということなのです。

十輪寺地蔵菩薩

  本寺の地蔵菩薩は、行儀菩薩作とされる身の丈二尺五寸の立像です。右手に錫杖、左手に宝珠をお持ちになっておられます。錫杖は悪を払い悟りを与える法具であり、宝珠は人々の願いを叶える力を宿しています。お姿はとても柔和であり優しいお姿ですが、人々を救済するという決意を感じさせられる凜としたお姿でもあります。 普段はお厨子の中におられお姿を拝顔することはできまんせんが、一年に一度、1月に御開扉をさせていただいております。

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