十輪寺ブログ

壇護摩祈願

十輪寺不動明王

 十輪寺の脇持、不動明王を正面にお祀りし、不動護摩ご焚かせていただきました。
 不動明王は、燃えさかる炎をまとわれ、右手に剣、左手に羂索(けんじゃく)を持っておられます。
剣は利剣(りけん)といわれ、剣により人間を苦しめる迷い、貪(とん)、瞋(じん)、痴(ち)を裁ち切られます。貪とは、貪欲で、貪り求める心です。瞋とは瞋恚(しんに)で、怒り狂う心です。痴は、仏のおしえを知らず罪を重ねる無知です。この三つは人間の幸せを壊す元となる毒、三毒(さんどく)といわれるものです。不動明王は断ち切った三毒を炎をもって燃やし尽くし、清らかな心をお授けになります。炎は不動明王の智恵の火、智火(ちか)なのです。迷いを滅せられた不動明王は、更に羂索をもって私たちを悟りの世界に引き入れてくださるのです。

 不動護摩では、炉を不動明王の御口、炎を智火であるとし、様々な供物を炉に入れご供養します。その際、願い事を書き入れた護摩木も入れ、祈願成就を祈るのです。ここで大事なのは、その願いが三毒に毒されていないのかを我々は振り返る必要があります。
 感謝を忘れてひたすら貪り求めていないだろうか。怒りに任せて人の不幸を願うような祈りになっていないだろうか。自分の幸せのみを追い求める願いになっていないだろうか。
 不動明王に願い事を受け取っていただくには、ただ己の欲望を満足させる為の祈願ではなく、多くの人の幸せにつながるような願いであるべきなのでしょう。

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